タイカレー

カレーは国によって色も味も千差万別、その国独自のカレーが存在しています。
今回はエスニック料理として人気のタイカレーについてご紹介しましょう。

タイカレーの特徴はやはりココナッツミルクが入っていること。唐辛子を基本としたスパイスにココナッツならではのまろやかさが加わり、こくと深みのある味わいに仕上がります。
唐辛子の種類には赤、緑、黄があり、どのスパイスを使うかによってレッドカレー、グリーンカレー、イエローカレーに大別されます。
赤・青唐辛子のプリッチーファと、これより小さい青唐辛子であるプリッキーヌがポピュラー。プリッキーヌはタイで最も辛い唐辛子だといわれており、ほんの少量でも思わず顔が真っ赤になるほど刺激が強いそうです。
具材は鶏肉や海老、ナスなどを使用。特にグリーンカレーはバジルなどハーブもベースに使われるので、爽やかな辛さと酸味が夏に人気の秘訣なのではないでしょうか。

タイでカレーは日本でいうと味噌汁のように、毎日の食卓に出される身近な料理なのだそう。そのため汁物という意味の「ゲーン」と呼ばれているのです。
またタイではカレーの屋台が存在します。様々な種類や色のカレーが大きな鍋で並び、たくさんの人々がテイクアウトで家に持ち帰り、ご飯にかけて食べるそうです。今日は何を食べようか、といって家族でカレーを選ぶのも楽しそうですね。

カレーパン

以前、カレーうどんの記事を書きましたが、カレー○○という食べ物は本当に色々あるものです。
その中でもカレーパンは個人的には一押しのものなのです。お話させて下さい。

ロシアのピロシキにも似ていますが、やはりカレーパンだと思います。まあ、それは個人的な好みにもよりますが。カレー自体は特にライスに合わせるだけではないというのは周知のことで、今や珍しくもなんともないのですが、日本でカレーパンが出来たのは“カレーライス”が普及した後のことなのです。ですから、「何故パンに・・・」という考えがあってもおかしくないはず。ここら辺が日本の食文化の凄いところなのでしょうか。そう、パンとカレーを合体させてしまった人がいるんですね、おなじみのカレーパンは日本で発明されたものなのです。
昭和2年の日本で考案されました。(日本に生まれて本当に良かったと思います)当時は「洋食パン」として登録されたとのことです。その“元祖カレーパン”、そもそもカレーパンには水分が多く、焼くのが難しいので油で揚げるようになったそうなのです。それでもやはり揚げ方が悪いと、油の中でパンがパンクしてしまうという問題もあったそうですから、様々な試行錯誤があったことでしょう。
今やコンビ二やスーパーでも簡単に手に入りますし、カレーパンを置いていないパン屋は珍しい気もします。時代は変わったものです。油で揚げているので“パン”ではなく“ドーナツ”という名称が正しいという意見もあるようですが、私は美味しいのならどちらでもいいと思ってしまうのです。

余談ですが、日本以外にカレーパンのようなものがないわけではありません。インドにはサモサという料理がありますし、なによりインドでは「ナン」をカレーと一緒に食べるのですからね。これほどまでに“何”にでも合う料理は他にないでしょう。

カレーうどん

カレーを応用したメニューのひとつにカレーうどんがあります。カレーうどんはうどん屋をはじめ、学校の給食や食堂の定番メニューとして広く人気があり、カレーうどんの専門店も多く存在しています。
カレーうどんのカレーはごはんにかけて食べるカレーとは違います。カレー粉にだし汁やうどんのつゆを加え、好みで醤油やみりんなどを加えて和風テイストに仕上げているのです。具材は玉ねぎ、長ねぎ、豚肉、関西では牛肉が一般的で、とろみをつけるために片栗粉を入れます。その他ににんじん、玉ねぎなどの野菜、油揚げ、斬新なものではチーズなど、バリエーションに富んだ具材が使われているようです。

はじめてカレーうどんが登場したのは明治時代。1904年、早稲田の「三朝庵」からカレーうどんの元祖が初めて世に送り出されました。当時は奇妙な西洋料理として訝しげられていましたが、カレーが国民に浸透していくのに合わせて広く受け入れられるようになったそうです。

またうどんではなく、蕎麦にカレーをかけたものはカレー南蛮と呼ばれます。南蛮とは唐辛子を指すのではなく、大阪の難波を意味しています。この場所で採れた長ネギが材料として使用されたため、難波→なんば→南蛮と転じていったということです。

スープカレー

北海道・札幌の新しい名物として大人気を呼んでいるスープカレー。スープカレーが世に知れ渡ったのは最近ですが、スープカレーの原型がはじめて登場したのは1970年代。インドカレー、スリランカカレーという名前で様々な店でスープカレーが出されていました。スープカレーという名前が出てきたのは1990年代になってからのようです。

スープカレーと普段食べているカレーとの一番の違いは固形のルウを使わないこと。小麦粉やバターが使われていないのでとろみがなく、さらっとした液体状です。
やはり注目すべきはスパイスの効いたこだわりのスープ。豚や鶏がらでしっかり旨みを抽出し、これをベースにトマトで風味を整えるのがポピュラーな作り方。鰹節など日本のダシを使って和風テイストにしてみたり、スパイスの種類や強さに特徴を持たせるなどのオリジナルの味を追求している店もあるようです。
肉はチキンレッグがまるまる1本入っているのが一般的ですが、ポークやラム肉、ベーコンを使う場合もあります。具材にはおおぶりの人参やじゃがいも、ピーマン、しめじ、オクラ、ブロッコリー、卵などの他、ほたてやえびなどの魚介類などを入れ、様々な具の調和が楽しめるメニューです。

スープカレーは店舗によってスープも具もスパイスも様々なので、札幌名物のラーメンと同様にバリエーションが豊富かつ楽しい料理だといえますね。

インドのカレー

カレーといえばやはりインドという国を思い浮かべますが、それではインドのカレーとはどのようなものなのでしょうか。インドのカレーは日本のカレーと全く違います。そして、宗教や地域などによってカレーの種類は大きく違ってくるのです。

インドは多民族国家で様々な宗教が共存しています。たとえばインド人の8割を占めるヒンズー教徒は牛肉を食べられませんし、イスラム教徒は豚肉を食べません。また、ジャイナ教徒は魚や肉、卵などをは食べてはならないとされています。一般的に肉に関しての禁忌が強いため、インドでは豆やナッツがたんぱく源として重宝されているようです。もちろんカレーの材料としてもよく使われています。

そしてインドには独特な身分制度があり食べるものにも影響しています。それはカースト制度と呼ばれ、高い階層になると禁忌とされる食物が増えてくるのです。厳密にはカーストによる差別は1950年に憲法で禁止されましたが、地方などでは慣習として根強く残っています。

また、インドは広大な国土を持っているため、北部と南部では気候がだいぶ違います。そして降水量も違うために栽培される穀物も南北で差があるようです。米を作っている地域と小麦を作っている地域ではカレーの汁気や辛さに大きな差があります。

このように一口にインドカレーといっても宗教や階層制度、気候などが複雑に影響しあって多種多様な味を作り出しているのです。

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