タットリタン

タットリタンは韓国の代表的な家庭料理で、別名韓国風カレーと呼ばれています。
鶏肉とにんじん、じゃがいも、玉ねぎなどの野菜を使った煮込み料理で、ピリ辛風味が食欲をそそる人気メニュー。甘みと辛さが楽しめる味付けは一度食べたら癖になり、大人子ども問わず人気があります。

タットリタンはヤンニョムと呼ばれるコチュジャン・テンジャン・唐辛子や醤油をベースとした調味料で味を付けます。唐辛子を連想させる赤い色はいかにも辛そうに見えますが、そこに惹かれる人も多いそうです。

地元韓国ではおかずとして食べるのはもちろん、お酒を飲みに行った先でつまみに注文することもよくあるそうです。数人で鍋を囲んで、目の前で煮える料理をつついて食べるのは美味しそうな光景ですね。残りのスープでチャーハンを作ったりうどんを煮込んで食べたり、最後まで色々な食べ方を楽しめるのも魅力です。


日本ではキムチ入りのピラフに、カレーフレークを少量加えたタットリタンを添えて食べられています。知る人ぞ知る隠れた人気料理です。

カレーとチャイ

チャイはカレーによく合う飲み物としてよく一緒に食卓に出されます。ヒンディー語やロシア語、トルコ語で茶という意味を持ち、インドでは煮出して作ったミルクティーを指します。元々中国で誕生したチャ(茶)が訛り、チベットからインドへ伝わった時にチャイという名前になったと言われています。


では家庭でできる基本的の作り方をご紹介しましょう。
(1) まず鍋ややかんで水を火にかけ、紅茶の葉を入れて煮出します。
(2) 沸騰したらスパイスと牛乳、砂糖を加え、再沸騰したら火を止めて1分程蒸らします。

スパイスにはカルダモンやマサラをよく使います。砂糖は好みの量で結構ですが、インドではチャイをお菓子のような感覚で飲むため、何杯も砂糖を入れかなり甘くして作るそうです。

日本やヨーロッパでいうお茶は手軽なものというイメージが強いですが、チベット地方やシルクロードの遊牧民にとっては、チャイは日々の栄養補給源としてとても大切な飲み物だったそうです。体を温め、生き延びていく栄養を確保するために、スパイスやハーブ、酒など様々なものを混ぜ込んで独自の味が生み出されてきたのですね。

辛さの単位

カレーの魅力はその辛さにあるのではないしょうか。どなたにも好みの辛さがあると思いますが、その定義は人によってばらばらなのではないでしょうか。
しかし、実は辛さには単位があるのです。

名前はスコヴィル値と呼ばれ、唐辛子に含まれるカプサイシンの割合を示します。テキサス農業大学の化学者であるウィルバー・スコヴィル氏の名前をとって名づけられました。
数値を抽出するには、まず唐辛子をオイルに一晩漬け込んで辛味成分を抽出します。次に
砂糖水で抽出物を辛みがなくなるまで薄めていき、その時の倍率で値を割り出すのです。
同じ種類の食べ物であっても、育った場所の気候や土壌、系によってスコヴィル値には開きがあります。特にハバネロは辛さの幅が広く、その差は10倍~それ以上の場合もあるそうです。

それでは代表的な食べ物やソースのスコヴィル値を挙げてみましょう。

オールスパイス:100 – 500
カレーや各種ソースの香辛料として使われています。


タバスコソース:2500-5000
ピザやパスタにかけるお馴染みのあのソース。こうして見ると辛さはまだまだ序の口に思われます。


ハラペーニョ:2,500 - 8,000
メキシコが産地の青唐辛子です。


ハバネロ:100,000 - 350,000
肉料理や魚介類の料理に辛みづけとして使われます。


レッドサビナハバネロ:577,000
日本でブームとなった暴君ハバネロに使用されている唐辛子です。


ちなみに世界で一番辛いのはザ・ソースと呼ばれるソース。スコヴィル値は7,100,000
で、タバスコの2840倍の辛さだといわれています。想像がつきませんね。

タイカレー

カレーは国によって色も味も千差万別、その国独自のカレーが存在しています。
今回はエスニック料理として人気のタイカレーについてご紹介しましょう。

タイカレーの特徴はやはりココナッツミルクが入っていること。唐辛子を基本としたスパイスにココナッツならではのまろやかさが加わり、こくと深みのある味わいに仕上がります。
唐辛子の種類には赤、緑、黄があり、どのスパイスを使うかによってレッドカレー、グリーンカレー、イエローカレーに大別されます。
赤・青唐辛子のプリッチーファと、これより小さい青唐辛子であるプリッキーヌがポピュラー。プリッキーヌはタイで最も辛い唐辛子だといわれており、ほんの少量でも思わず顔が真っ赤になるほど刺激が強いそうです。
具材は鶏肉や海老、ナスなどを使用。特にグリーンカレーはバジルなどハーブもベースに使われるので、爽やかな辛さと酸味が夏に人気の秘訣なのではないでしょうか。

タイでカレーは日本でいうと味噌汁のように、毎日の食卓に出される身近な料理なのだそう。そのため汁物という意味の「ゲーン」と呼ばれているのです。
またタイではカレーの屋台が存在します。様々な種類や色のカレーが大きな鍋で並び、たくさんの人々がテイクアウトで家に持ち帰り、ご飯にかけて食べるそうです。今日は何を食べようか、といって家族でカレーを選ぶのも楽しそうですね。

カレーとナン

日本ではカレーライスという言葉が浸透しているくらいですから、カレーといえばライスにかけて食べるのが主流です。しかしカレーと一緒に食べる炭水化物系の主食はライスだけではありません。インドのナンはカレーとセットでイメージが沸くような、ポピュラーな主食です。炊きたてのご飯にカレーをかけて食べる美味しさに多少飽きてしまったら、他の組み合わせに変えてみてはいかがでしょうか。

ナンはインドをはじめ、中央アジア・中近東で食べられているパンです。
最近はカレー専門店やパン屋でもよくみかけるようになりました。学校の給食や冷凍食品でも出回るようになり、日本人の生活にもだいぶ溶け込んできているようです。
また自宅で気軽に作れるよう、カレーの料理本やナンもレシピが載っているのをよく見ます。

ナンは人の顔程ある大きさの楕円形で平べったく、もちもちした食感が特徴です。生地は精製した小麦粉を使用。
作り方は、まず小麦などに含まれる野生酵母菌を自然発酵させた自然種で生地を発酵させます。そして生地を平らにのばし、毎日ナンを食べるような国やカレーの専門店ではタンドゥールと呼ばれる土釜の内壁に貼り付けて焼き上げます。
家庭で作る場合はフライパンで焼きます。多少焦げてしまったような焼き色がまた手作りの良さを感じさせてくれます。

カレーと食べるときは、ナンとカレーを別々に食べてもよし、ナンにカレーをつけて食べるのもよし、自分が一番美味しいと思う食べ方を研究してみるのもいいですね。

コリアンダー

久しぶりにカレーのスパイスをご紹介しましょう。
今回はコリアンダーです。コリアンダーは高さ80cmほどのセリ科の一年草で、原産地は地中海地方。日本ではコエンドロ、中国パセリなどとも呼ばれるそうです。

コリアンダーには随分昔から歴史があります。サンスクリットの書物や紀元前の医学書にはコリアンダーの効能や料理方法が記されていましたし、ツタンカーメン王の墳墓からも発見されています。古くから人々に利用されていたことが分かりますね。
その後はローマからヨーロッパ全土に広まり、アメリカには初めて持ち込まれたスパイスのひとつとして伝わりました。

スパイスとして使用するのは主に果実の部分で、葉は薬味として利用されています。主に東南アジアから東アジアで利用されています。果実をすりつぶすとレモンなどの柑橘系と、薬草や木のような苦味のある香りが混じったような独特の風味が出ます。香り成分はモノテルペン類のセルミンC10H16、デカナール。これは他にオールスパイスやドクダミにも含まれています。

カレーのスパイスとして利用する場合はやはり芳香づけが目的。独特の甘い風味がカレーをマイルドさを加えます。その他にも肉や卵、豆料理によく使用され、インド料理やタイ料理まで幅広く利用され親しまれています。

日本一カレーが好きな都道府県

日本で最もカレー好きな都道府県はどこでしょう?そんなことも分かってしまうのです。世の中には様々な調査があるもので、なんとカレールウの消費量を都道府県別に調査したものを見てしまいました。

平成16年度の総務省家計調査の都道府県県庁所在地の家計調査によると、カレールウの消費量、購入金額ともが1位だったのが鳥取市でした。さらに調べてみると、同市のカレールー消費量は03~05年の3年間の平均値では1位、04~06年の平均消費量でも1位と、平均して高い消費量を誇っているのです。

意外でしたか?理由は分かりませんが、どうやら鳥取県の方たちは他の都道府県の方よりもカレーがお好きなようです。

もちろん、あくまでも県庁所在地のみに限定した調査ですから参考程度にしかなりません。ただし、このような結果を受けて、鳥取ではカレー好きな県として観光アピールをしているそうです。
仙台市も負けてはいられません!皆様に美味しいカレーを食べていただく為に、我々も一層やる気が出てきました!

カレーの器

カレーの専門店やレストランのカレーは、取手がついたランプの形のようなポットに入って出てくることがあります。そして、これだけでカレーがぐっと高級に見えたり本格的に見えたりするから不思議です。
この器はカレーポット、グレービーポット、ソースポットなどの名称で呼ばれています。
グレービーとはローストビーフやミートローフに良く使われるソースのことです。
日本ではカレー用のポットというイメージが定着しているようですが、元々はイギリスで誕生し、グレービーソースをはじめ、その他様々なソースを入れるためのものとして使用されていました。

またソースをすくってかける、アクを取るような場合に使用するのがソースレードルです。
一般的なのは耐久性に優れたステンレス製ですが、軽くて持ちやすいアルミ製、木製のものもあります。木製のソースレードルはブナやオリーブの木などが材料に使われています。カレーを盛る時に木の香りがするなんて素敵ですよね。
形もおたま状のもの、鳥のクチバシのような形をしたものなど様々で、用途によって使い分けることが出来ます。

カレーをもう少し本格的に味わいたい気分になったら、こんな風に食器にこだわってみてはいかがでしょう。家庭で作ったいつものカレーも、家族や友達に「今日はなんだかおいしいね」と言ってもらえるかもしれません!

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