カレーとヨーグルトは相性抜群!

カレーとヨーグルト。
2つの名前を聞いたときに、あまりピンとこないかもしれませんが、意外と縁のある組み合わせなんですよ。

例えば、ヨーグルトには肉を柔らかくする作用があることをご存知でしょうか?
ヨーグルトには乳酸菌が含まれているのですが、この乳酸菌は肉の筋繊維をほぐして、細胞やコラーゲンの水分を膨張させる働きを持っています。ですから、ヨーグルトを混ぜると、肉が水分をたっぷり含んだ状態になり、ジューシーでやわらかい肉質に変化します。ですからカレーや肉料理では調理する前に、ヨーグルトを混ぜて一手間かけることが多いのです。ちなみに、豚肉、鶏肉、牛肉、種類問わずどんな肉でも変わらない効果が期待できます。また鮭(サケ)や鰤(ブリ)などの魚も同じように柔らかくすることができるので、ヨーグルトでさまざまなカレーの素材を美味しく味わうことができますよ。

また、カレーに直接ヨーグルトを加え、ヨーグルト風味に仕立てたカレーもありますね。
少し酸味の効いたヨーグルトはカレーに溶け込むと風味のアクセントになりますし、スパイスの辛さを和らげて全体をまろやかにしてくれます。また栄養面でもカルシウムや乳酸菌が腸を整え、骨を丈夫にしてくれるという嬉しい効果も。

単純に食後のデザートとしていただいでも美味しいですね。さっぱりして口直しにぴったりです。

カレーのおいしい保存方法

一度に大量のカレーを作りすぎてしまった場合に、余ったカレーはどのように保存していますか?
長持ちさせることを考えると一番いい方法はやはり冷凍保存だと思います。

冷凍保存の良さは数週間から数カ月といった長期間でも保存が可能なこと。使いたいときはレンジで解凍したり、冷蔵庫に移して自然解凍させておいたりすれば、すぐに食べられる手軽さも魅力ですね。

しかし一度冷凍保存すると、作りたての頃の絶妙なスパイスの効き方や、微妙な味わいが損なわれてしまいます。作ったままの味や風味をそのまま保つことは、さまざまな方法を試してもなかなか難しいようです。

これにはいくつかの原因が考えられます。
例えばカレーを容器に入れる時、外の空気に触れるような条件で保存すると油が劣化してしまう恐れがあります。これは冷凍ヤケと呼ばれる現象です。
また、冷凍することによって、スパイスの成分のうち、「辛み成分」だけが残り、カレーにとって命ともいえる「香り成分」が失われてしまいます。この風味が薄れることで、作りたてのカレーと比べると物足りなさを感じてしまうのです。

また家庭用の冷蔵庫は中に入れたものが完全に凍結するまで時間がかかります。するとカレーに含まれる水分が氷の結晶になる過程で、でんぷん質が破壊されて食感がなくなってしまうことがあるようです。

こういった冷凍保存による味の劣化を少しでも防止するには、カレーを容器に入れるとき、できるだけ空気に触れないように工夫し、温め直すときには再度スパイスを加えて香りづけを行うといいでしょう。

辛さの単位

カレーの魅力はその辛さにあるのではないしょうか。どなたにも好みの辛さがあると思いますが、その定義は人によってばらばらなのではないでしょうか。
しかし、実は辛さには単位があるのです。

名前はスコヴィル値と呼ばれ、唐辛子に含まれるカプサイシンの割合を示します。テキサス農業大学の化学者であるウィルバー・スコヴィル氏の名前をとって名づけられました。
数値を抽出するには、まず唐辛子をオイルに一晩漬け込んで辛味成分を抽出します。次に
砂糖水で抽出物を辛みがなくなるまで薄めていき、その時の倍率で値を割り出すのです。
同じ種類の食べ物であっても、育った場所の気候や土壌、系によってスコヴィル値には開きがあります。特にハバネロは辛さの幅が広く、その差は10倍~それ以上の場合もあるそうです。

それでは代表的な食べ物やソースのスコヴィル値を挙げてみましょう。

オールスパイス:100 – 500
カレーや各種ソースの香辛料として使われています。


タバスコソース:2500-5000
ピザやパスタにかけるお馴染みのあのソース。こうして見ると辛さはまだまだ序の口に思われます。


ハラペーニョ:2,500 - 8,000
メキシコが産地の青唐辛子です。


ハバネロ:100,000 - 350,000
肉料理や魚介類の料理に辛みづけとして使われます。


レッドサビナハバネロ:577,000
日本でブームとなった暴君ハバネロに使用されている唐辛子です。


ちなみに世界で一番辛いのはザ・ソースと呼ばれるソース。スコヴィル値は7,100,000
で、タバスコの2840倍の辛さだといわれています。想像がつきませんね。

カレー健康法

カレーの隠されたパワーを皆さんはご存知ですか?カレーは美味しいだけでなく、体に良い食べ物なのです。
カレーの本場インドでは、食事で摂取するもの自体が病気の治療や予防してくれるという「医食同源」の考え方が一般的で、これはインドのどの地域でも共通です。カレーにふんだんに使われるスパイスは、調味料としてはもちろんのこと、古代から薬としても用いられてきました。つまり、何種類ものスパイスを使って作られるカレーは薬の宝庫といえます。
では、カレーを食べるとどのような効果が得られるのでしょうか?
まず、カレーの辛さには脳の血流を良くしてくれる効果があるため、脳の活性化や眠気覚ましに効きます。また、新陳代謝を良くして体温も上げてくれるので冷え性を解消してくれると同時に肥満予防効果もあるようです。しかも、カレーに入れられる黄色の成分・ウコンは万能薬です。最近の実験では、アルツハイマー病を防ぐ効果もあると明らかになりました。実際に米国人に比べインド人は発症率が4分の1だとか。しかも、辛いものを食べるとアドレナリンが分泌され、筋力も一時的に上がるという説もあります。
このように、カレーは人間にいくつものパワーを与えてくれます。暑さでエネルギーを消費してしまう夏にはぴったりの食べ物です。それだけではありません。新陳代謝が活発になると汗をかきやすくなりますが、その汗が体内の熱を奪ってくれるのです。暑い国であるインドで辛いカレーができたのも、体の仕組みをうまく活かした人間の知恵があったからなのですね。
日本でもカレー消費のピークは7・8月の真夏です。赤道付近の国には辛い料理が多いことからも、暑さをしのぐために辛さを求めるのは世界共通のようです。人間の本能的な行動なのでしょう。

カレーと軍隊

「腹が減っては戦はできぬ」ということわざ通り、エネルギーを激しく消耗する軍隊の兵隊達と食事は切り離せないものでした。
明治時代の海軍では脚気(かっけ)が流行り、それにかかって死ぬ者もいました。これは食事に原因があると考えられ、英国海軍に習って洋食を取り入れることになります。その一つにカレーが選ばれ、軍隊の食事に採用されました。また、軍隊にはいつ戦乱が起こってもいいように「食事は作り方が簡単で栄養があって一度に何十人分も大量に作れるものであること」という内容の規則があったほどでした。この三拍子そろった条件にまさしくカレーはうってつけだったのです。そして一説では、地方出身の兵隊たちが軍隊から除隊したり休暇で帰ったりした時に、各家庭で兵隊時代に食べたカレーを再現したため全国各地にカレーが普及したと言われています。
現在、実際の海上自衛隊でもカレーは伝統のメニューとして艦艇や部署ごとに独自の秘伝レシピでそれぞれ作られています。隠し味にワイン、小豆やコーヒー、中にはコカコーラ・ブルーベリージャムを入れる等、それぞれの艦艇や部署ごとに特色があるそうです。味はかなり高レベルで一般の西洋料理店よりもおいしいため、海軍自衛隊カレーの味に惚れ込んで入隊する人まで実際いるとかいないとか。
また、日本人におなじみのご飯の上にかけて食べる「カレーライス」の原点が海軍カレーです。ちなみに横須賀海軍カレーは、カレーだけでは不足しがちなカルシウム・葉酸を牛乳とサラダをつけて3点セットで出すのが定番のメニューだとか。
よく耳にする話ですが、今でも日本の海上自衛隊は航海中に曜日がわからなくならないよう、毎週金曜日にはカレーを食べるそうです。カレーを作る日はわからなくならないのですかね・・・。

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