カレーと軍隊

「腹が減っては戦はできぬ」ということわざ通り、エネルギーを激しく消耗する軍隊の兵隊達と食事は切り離せないものでした。
明治時代の海軍では脚気(かっけ)が流行り、それにかかって死ぬ者もいました。これは食事に原因があると考えられ、英国海軍に習って洋食を取り入れることになります。その一つにカレーが選ばれ、軍隊の食事に採用されました。また、軍隊にはいつ戦乱が起こってもいいように「食事は作り方が簡単で栄養があって一度に何十人分も大量に作れるものであること」という内容の規則があったほどでした。この三拍子そろった条件にまさしくカレーはうってつけだったのです。そして一説では、地方出身の兵隊たちが軍隊から除隊したり休暇で帰ったりした時に、各家庭で兵隊時代に食べたカレーを再現したため全国各地にカレーが普及したと言われています。
現在、実際の海上自衛隊でもカレーは伝統のメニューとして艦艇や部署ごとに独自の秘伝レシピでそれぞれ作られています。隠し味にワイン、小豆やコーヒー、中にはコカコーラ・ブルーベリージャムを入れる等、それぞれの艦艇や部署ごとに特色があるそうです。味はかなり高レベルで一般の西洋料理店よりもおいしいため、海軍自衛隊カレーの味に惚れ込んで入隊する人まで実際いるとかいないとか。
また、日本人におなじみのご飯の上にかけて食べる「カレーライス」の原点が海軍カレーです。ちなみに横須賀海軍カレーは、カレーだけでは不足しがちなカルシウム・葉酸を牛乳とサラダをつけて3点セットで出すのが定番のメニューだとか。
よく耳にする話ですが、今でも日本の海上自衛隊は航海中に曜日がわからなくならないよう、毎週金曜日にはカレーを食べるそうです。カレーを作る日はわからなくならないのですかね・・・。

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