チャツネ

チャツネは野菜や果物にスパイスを加えて作る調味料で、カレーの薬味として使われます。
鍋にマンゴー、桃、リンゴなどの果実にスパイスと酢、砂糖を入れて煮込み、とろとろジャム状になったら完成です。ネパールではアチャールと呼ばれています。
しかしインドやアフガニスタンなどの地域では、ソース状のものよりも果実の原型を残し、漬物と同様に扱う場合が多いようです。日本では昔どこの家庭で味噌を手作りしていましたが、チャツネもその家庭ごとにオリジナルの味が存在します。唐辛子など刺激の強い香辛料を加えた辛味の強いタイプのものや、ヨーグルトやミントを混ぜすっきりマイルドに仕上げたものがあります。

カレーの薬味のほか保存食やドレッシングとして利用されます。

チキン

チキンは皆さんご存知の通りニワトリ肉のことです。鶏肉というと合鴨や七面鳥などの鳥類を指すこともありますが、一般的には多くの場合ニワトリの肉を指します。
チキンは味が淡白でクセがないため、から揚げやフライドチキンなど様々な料理に使用されています。もちろんたくさん種類のあるカレーの中でも、チキンカレーは人気の高い定番メニューです。

インドでは最もカレーに使う頻度の高い肉はチキンだといわれており、そのためニワトリは紀元前1700頃から飼育されていたといいます。インド地方ではブツ切りにした骨付き肉をそのままじっくり煮込んだカレーがポピュラー。一方ヨーロッパや日本では胸肉やもも肉など柔らかい部位を一口大に切って使用することが多いようです。

チキンの品種には大規模な鶏舎で合理的に生産されるブロイラーと、ブロイラーを飼料などで独自の工夫を加えて育てた銘柄鳥、伝統的な放し飼いで育てた地鶏(比内鶏・名古屋コーチンなど)があります。ブロイラーは脂肪が少なく低下カロリーな点が長所ですし、地鶏はその地方ならではの味や風味を持っているところが魅力。ひとくちに鶏肉といっても、品種を変えると異なった味のカレーを楽しめることができそうですね。

ニゲラ

二ゲラはきんぽうげ科の一年草で、南ヨーロッパや西アジアが原産。ニゲラという名前には「黒い」という意味があり、黒い種ができることからこのように名付けられました。日本ではクロタネソウとも呼ばれています。また八重状の花びらと繊細な葉が見る人にはかない印象を与えるため、英語では「ラブインアミスト(霧の中の恋人)」とも呼ばれているそうです。

ちなみスパイスとして使用するのは種の部分。17世紀のヨーロッパでは飲み物や甘味料
として利用されていました。現在はインドを中心に種をホールのまま煎り、野菜や豆料理の香り付けに使用したり、上からパンやケーキなどに振りかけて風味を加えるのに活躍しています。
 
また二ゲラは乳の分泌をよくし、授乳を促進する効能があるといわれています。見た目の印象も効能も、特に女性にぴったりのスパイスだといえるのではないでしょうか。

ピクルス

ヨーロッパで広く親しまれているピクルスも、カレーにぴったりの付け合せです。ピクルスは英語で「漬物」を指し、香料やハーブを使って野菜を酢・砂糖などに漬け込み、乳酸菌の力で発酵させて作ります。ピクルスにぴったりの食材はキュウリ、セロリ、パプリカ、カブ、人参など様々。野菜だけでなく果物も材料に使用され、家庭によっても味や風味が異なりバリエーションが豊富です。

アメリカではよくハンバーガーにキュウリのピクルスが使われていますが、日本でもピクルスというとこのイメージが強いと思います。キュウリのピクルスは水と酢に砂糖、ローリエやクローブ、胡椒などを加えビン詰めにして浸したり、スパイスを加えた砂糖液に漬け込んでしばらく置いたら完成です。

ピクルスの一番の特徴である酸味は酢を使っているからですが、酢は料理の油を分解する働きを持っています。西欧では脂っこい食事が多いため自然とそうなったのでしょう。
また酢に含まれる乳酸菌は強い殺菌力を持っているので長く保存することができるのです。

ピクルスは苦手だな・・と感じている人も、カレーと一緒に食べると意外な美味しさが発見できるかもしれませんよ。

りんご

「1日1個りんごを食べれば医者を遠ざける」ということわざがあるように、りんごはビタミンCやカリウム、食物繊維が豊富な栄養満天の果物です。

生産量は世界で年間約6千万トン。最も生産量が多い国は中国で、アメリカやフランスもかなりの量を栽培しています。日本有数のりんごの産地といえば青森県ですね。ついで長野、岩手でも栽培がさかんです。

品種も様々で、世界一の生産量を誇るふじ、黄緑色にそばかすのような斑点がついた王林、酸味が強く深い赤色が特徴の紅玉など、それぞれ異なった色や味が楽しめます。

すり下ろしたりんごは、カレーに加えて煮込むとさっぱりした酸味と甘さがまろやかな味になります。そのためこのように隠し味として活用されるほか、りんごに含まれるペクチンという成分は、カレーに加えたときとろみの元となるので、あらかじめカレールーの原料に使用されることもあります。りんごはカレーと相性抜群の果物だといえますね。
中でも酸味の強い紅玉、酸味と甘味のバランスがいいジョナゴールド、甘味と果汁がたっぷり詰まったつがるなどがカレーに向いているということです。

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