トマト

トマトはナス科ナス属の果実で、真っ赤でぽってりした見た目がトレードマークの緑黄色野菜です。ケチャップの原料サラダ、またイタリアではピザやパスタのソースに欠かせない、なくてはならない存在です。

トマトは熟す前の皮の色でピンク系トマト(桃太郎)と赤系トマトに分類されます。日本ではトマト特有の酸味や風味が薄いピンク系が一般的ですが、欧米のトマトは濃い赤やオレンジ色をした、酸味の強い赤系がほとんど。また大きさによって大玉トマト、中玉トマト、ミニトマトに分類されます。

トマトの代表的な栄養素はリコピン。リコピンは強い抗酸化作用を持っており、がんを予防するといわれています。他にはビタミンCやカロチンといった栄養素が含まれています

カレーには色や酸味を加える意味で赤系のトマトが向いています。フレッシュな生のトマトもいいですが、旨みが凝縮された市販の水煮缶やトマトピューレを使うとまた一味違った味わいになります。またトマトは国や地域、栽培農家によって色も味もバラエティに富んでいるので、カレーに合うお気に入りの種類を探してみるのも楽しいですね。

きのこ

近年では、カレーにもよく入れられる食材、きのこ。
きのこは子実体という胞子を作る生殖器官を形成する菌類の総称で、昔から豊かな森の中で自給自足の生活を営んできた日本人にとっては大切な食文化です。

縄文時代の遺跡からはきのこ形土製品というきのこの形をした遺物が見つかっています。日本書紀や万葉集などの書物にもきのこを天皇に献上したり、貴族の間できのこ狩りが行われたりしたという記述が残っており、一般家庭できのこが身近に食されるようになったのは江戸時代からで、安定して栽培されるようになったのは大正時代に入ってからだといいます。

きのこは栄養たっぷりのヘルシー食材として、女性や諸外国の人々からも注目されています。食物繊維やミネラル、ビタミンD2、ビタミンBなどが豊富で、特に乾シイタケは食物繊維の含有量が全体の約40%にもなるのです。またきのこは日光に当たるとビタミンD2に変化するエルゴステロールという成分を含んでいるため、数時間日の光に当てるとその量は何十倍にも膨れ上がります。驚きですね。そして野菜と比べてタンパク質が多いことも特徴です。

シイタケやシメジ、なめこやエノキタケ、マッシュルームなどきのこには様々な種類がありますが、カレーでよく使用されるのはシメジやエリンギ、舞茸、そしてマッシュルームなど。きのこ特有の旨みを出すのはグアニル酸という成分で、それぞれのきのこのシャキシャキした食感もまた楽しみのひとつとなっています。

セロリ

セロリは暗緑色の葉が特徴のセリ科の植物です。しかし品種によって淡色、黄色などもあるため、淡色野菜として分類されています。南ヨーロッパを原産とし、現在はヨーロッパ、中近東、北アメリカやインド北部で広く栽培されています。

古代ローマ時代には独特の苦味のため食用には使用されず、香料や整腸剤としての働きに貢献していました。17世紀に入るとイタリアで苦味の改良が行われ、食用として使用できるようになりました。現在私たちが通常入手しているのは、この改良後のセロリです。

セロリの香りには、ほのかに苦味のある、独特の強さがあります。茎や葉であれば生食として食べられるため、野菜スティックやサラダに用いられるほか、スープやシチュー、肉料理の付けあわせなどにも使われます。
またセロリの種はセロリシードと呼ばれ、ピクルスやトマトケチャップ、ドレッシングの材料として活躍するスパイスとなっています。効能としては気管支炎、肝臓病や発熱に効果があるといわれています。またよく眠れない時はお茶にして飲むと心が落ち着き、ぐっすり眠るのを助けてくれるそう。苦しい思いから救ってくれる、セロリの香りのイメージ通りの頼もしいスパイスなのです。

ビーフ

牛肉は食肉の中でも値段が高く、高級食材として知られています。他の食用肉と比べると、ミルクのような甘味と独特の風味が特徴です。

輸入ものと国産ものがあり、国産ものはさらに和牛と乳用肉に分けられます。和牛は日本人が好む、赤身に脂肪が細かく入った霜降り肉が多くとれます。繊維がきめ細かく、とろけるような食感が人気の秘訣。しかし飼育にコストがかかるので、現在はアメリカやオーストラリア産の安い牛肉が多く消費されているのが現状です。

牛肉は動物性タンパク質であるほか、鉄分やビタミンB群、亜鉛などのミネラルも豊富に含まれています。コレステロールやカロリーも考慮しつつ、適当な量を摂取すれば、筋肉をつくったり体を丈夫にしてくれる大事な食料源です。

牛肉はサーロイン、リブロース、ヒレ、肩、肩ロース、ばら、もも、すねなど様々な部位を食用にすることができます。牛タンやレバー、ハラミなどの内臓も焼肉等で人気のメニューです。その中でも、カレーに使用するなら肩やバラ肉がお勧め。これは長時間煮込むと牛肉の味がじわっと浸透するためです。ちょっとリッチに決めたいときは、思い切ってヒレ肉を使ってみるのもいいですね。

ちなみに牛肉は筋繊維がしっかりしているため、冷凍保存に向いています。料理に使用して余ってしまった分を冷凍しても、家庭用冷蔵庫で半年と持つというから嬉しいですね。

カレーペースト

レッドカレーペーストはタイでレッドカレーを作るときに使われる、辛い中にもコクのあるペーストです。タイ語でゲェーンペットとも呼ばれています(スパイスを使った辛い煮込み料理という意味)。
レッドカレーぺーストを作る際に使用するスパイスは、唐辛子、ニンニク、レモングラス、クミン、カフェライム、ガランガルなど。カレーはもちろん、炒め物やローストチキンの下味なんかとしても優秀な働きをします。

またグリーンカレーペーストは、青唐辛子をベースとしたグリーンカレーには欠かせないペースト。ニンニク、レモングラス、胡椒、カフェライムやクミン、ナツメグなどを砕き潰して作ります。グリーンカレーはココナッツミルクを入れてまろやかな甘味を加え、具材にはチキンが使われるのが一般的です。

自分で手作りする際は、ミキサーやクロックと呼ばれる石うすでを使ってスパイスを砕いたりすり潰したりします。また、調合されたものが市販されていることもありますので、スパイスや器具を揃えるのが難しい場合は手軽に試してみてはどうでしょうか?。

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