カルダモン

カルダモンはキリストが誕生するずっと昔から重宝され、紀元前2世紀ごろにインドからヨーロッパに輸出されていたといわれる、世界で最も古いスパイスのひとつです。
原産地はインドやスリランカ、マレー諸島で、現在はベトナムやタンザニア、グアテマラでも栽培されています。
カルダモンはサフラン、バニラに次いで3番目に高価なスパイスで、香水の原料として使用されていたこともあります。通称「スパイスの女王」という呼ばれ方をされることもあるほど!

カルダモンの種類には緑色のグリーンカルダモン、グリーンカルダモンを漂白したホワイトカルダモン、茶色のブラウンカルダモンがあります。スパイスとして使うのはさやの中に入っているゴマ粒大の種子の部分。香りはしょうのうに似ており、口に含むとジンジャーのような清涼感が残ります。

主な効能に消化促進・健胃作用があるので、日本では小豆蒄という名の生薬として日本薬局方に収録されています。インドでは体力増進に効くスパイスとして認識されているようです。消臭効果もあるため、口臭や肉料理の臭い消しにも用いられます。

カルダモンを使った代表的な料理はやはりインドカレーです。ガラムマサラやカレーパウダーの原料として欠かせない存在となっています。辛い料理だけでなく、アイスクリームやケーキ、チャイなどの甘い物、パンなどにもよく合います。また中近東ではコーヒーにカルダモンを入れて客をもてなす風習があるそうです。

カレーまん

寒い時期に食べたくなる人気の中華まん、そのうちのひとつがカレーまんです。
生地にターメリックを練りこむことで皮が薄い黄色に色づけられ、見た目にもスパーシーさが演出されています。

カレーまんの具はひき肉や玉ねぎ、たけのこ、椎茸などをみじん切りにして混ぜ合わせたものにスパイスやカレー粉、その他の調味料を加えて作ります。肉まんのたねをカレー風味にした感じといっていいでしょう。カレーパンの具やドライカレーにも似ています。
ほかほかの皮と濃い目に味付けた具の組み合わせが、癖になる中華まんです。

一口にカレーまんといっても、今では地域やメーカーによって色々なバリエーションのものが出ています。特にコンビ二では店舗ごとにそれぞれこだわりを込めた商品を毎年売り出していて、手軽に食べ比べることができます。今年はどんなカレーまんが登場するか、楽しみですね!

アジョワン

アジョワンは原産地のインドで古くから使用されていたスパイスで、現在ではエジプト、イラン、アフガニスタンなどの中東・南西アジアでも生産されています。

セリ科の一年草で、主に精油を作るのに利用されるほか、主成分であるチモールには殺菌・防腐効果があるため料理の口直しや歯磨きに使われています。また下痢や消化不良にも効果があるので、現地では各家庭で薬用としても重宝されているそうです。

スパイスとして使用する場合は、種子の部分を乾燥させてホールのまま、または砕いて使います。香りはタイムに似ていますが、風味はもっと刺激的。特にパウダー状にするととても芳ばしい香りがするため、料理にほどよく加えるとタイムと同じような風味を出すことができると代用されることもよくあります。
カレーにはまるごとホールのまま入れるか、他のスパイスと混ぜ、ガラムマサラにして加えたりします。他にも魚を使った料理やパサラというインドのパン、ピクルスなどにも使われ、インド料理で広く親しまれています。

ローリエ

ローリエは地中海沿岸を原産とするクスノキ科の常緑種で、英語ではベイリーフとも呼ばれています。日本では月桂樹の葉を乾燥させた香辛料のことを指し、勝負事をして勝った方に葉のついた枝を月桂冠として頭に載せる行為は有名ですね。

すがすがしい香りと優しい甘さが特徴のスパイスで、ヨーロッパ料理には欠かせません。トマトを使った煮込み料理やポトフによく利用されます。また肉の臭みを消す働きがあるため、よくカレーやスープに利用されます。
風味が強いため1~2枚の葉を加えるだけでじゅうぶんです。この時、葉を折って入れるといっそう香りが広がります。

注意点として、長時間煮込むと苦味が出るため途中で取り出すのを忘れないようにしましょう。一般的には乾燥させて苦味や青臭さを取り除くのですが、生のまま使用することも出来ます。
ちなみに家庭でローリエを乾燥させる場合は、重しを乗せて葉がそり返らないようにし、約1週間~2週間日陰で干して水分を飛ばし完成となります。

ニンジン

ニンジンのないカレーは多くありますが、基本はニンジンはカレーに欠かせない材料です。特に家庭で作るカレーには必ずといっていいほどニンジンが具材に含まれています。生のままだと固くてあまり味はしませんが、加熱することで柔らかくほのかな甘みが出てきます。ニンジンは嫌いだけど、カレーに入っているニンジンなら食べられる、というお子様も多いのではないでしょうか。

切り方は一口大の乱切りや薄く切るイチョウ切り、ドライカレーの場合はみじん切りなどにします。お子様のいる家庭やパーティーの時には型抜きで花形や星型にくりぬいても楽しいですね。

ニンジンはセリ科ニンジン属の野菜で、太くて短い西洋品種と細長い東洋系品種があり、ます。江戸時代に栽培されていたのは東洋系品種ですが、現在スーパーでよく見かけるのは西洋系品種となっています。

なんといってもビタミンA、カロチンが他の野菜と比べて圧倒的に豊富なのが特徴です。鉄分やカルシウム、ビタミンBも含まれていて栄養価100点満点の優秀な野菜です。