カレーとスプーン

インドでは手をそのまま使ってカレーとご飯をすくって食べますが、日本ではスプーンを使って食べるのが一般的です。普段はスプーンにこだわることはあまりないと思いますが、カレーを食べやすいスプーンの条件とうものがあるのでご紹介しましょう。

まず、スプーンの素材はステンレス製が軽くて持ちやすいという特徴があります。ステンレスは熱を通しやすいため、適度に温まったスプーンでカレーを口に入れるので違和感もありません。銀製のものは重くてやや持ちづらいですが、レストランでカレーを食べるときや高級感を演出したいときにはこちらのほうが活躍してくれるでしょう。
また最近では木製のスプーンも登場し、スプーンを口に入れたときの優しい感触や、インテリア食器として見た目にも嬉しいという特徴が人気です。

次に形です。カレーを食べるとき、つい口の周りにカレーがついてしまうことがありますよね。これを防止するために、先の部分がやや細くなったカレー専用タイプのスプーンが出ています。またお皿のふちにスプーンをひっかけておけるように、柄の先端がストッパーになっているものもあります。

このようにカレーの食べやすさを追求するならば、自然とスプーンの形状や材質にも相性のいいものが浮かび上がってくるのです。おもしろいですね。

ちなみに、刑務所ではつい最近までカレーは箸で食べられていましたが、受刑者からの要望や刑務所の運営改善の目的に合わせ、スプーンを食器として使用することが認められるようになったそうです。やはり食べやすさは欠かせない要素なのだなと、ふと感じたニュースでした。

ポーク

ポークとは豚肉のことをいいます。カレーにはポークカレーとしてよく登場しますね。豚肉は最も消費量の多い食肉で、牛肉の約3倍の消費量があるそうです。ちなみにイスラム教では豚は浮上なものとされているため、インドでは食を禁じられています。

豚肉は必須アミノ酸をバランスよく含んだ良質のタンパク質で、スタミナの元であるビタミンB1はなんと牛肉の10倍も含まれています。他にもビタミンAやビタミE、カリウムやリンなども摂取できる、栄養価の高い食肉です。

豚肉は7つの部位に分けられており、ヒレ、ロース、肩、肩ロース、バラ、もも、そともものとなっています。カレーに使用するなら、厚切りにしたばら肉がお勧めです。脂身と赤身が両方交じり合って層を作っているので、しばらく煮込んでも肉がぱさつくことがないからです。またシチューに使われる角切り肉は、歯ごたえのあるジューシーな肉の食感を楽しみたいときに向いています。
調理上の注意点をあげるなら、煮込むとアクが多く出るため、こまめに取り除くようにするといいでしょう。

チリパウダー

チリパウダーはアメリカ発祥のミックススパイス。チリペッパーというスパイスがありますが、このスパイスを単純にパウダーにしたものではありません。「チリ」はメキシコで「辛い」という意味で、チリペッパーを含む複数の辛みの強い香辛料を混合してあることからこのように呼ばれているのだそうです。

チリパウダーはチリペッパー(唐辛子)の粉末とオレガノを基本に、クミン、ディル、クローブなどを混合して作られます。名前や赤い見た目の通り、ピリッとした辛さが特徴的です。

主にメキシコ料理で人々に親しまれており、タコスやチリコンカーンには欠かせません。
またピラフやパスタ、チキンの味付けにもピッタリ。

作り方は材料をフライパン等で煎り、粉末にしてからそれぞれのスパイスを調合します。また市販で売られているものにはアメリカタイプと、これより辛味の強いメキシコタイプがあり、自宅でチリパウダーを使って料理する場合はブレンドや種類を工夫し、自分なりの味付けを楽しんでみてください。

サンバル

サンバルはインドネシアなど東南アジアで日常的に料理に用いられるチリソースの一種です。独特のペースト状で、唐辛子に塩、砂糖と加えて作るサンバルウラックや、唐辛子、ニンニク、玉ねぎ、その他のスパイスで作るサンバルジャックなど、甘みのあるものから辛いものまで色々な種類があります。サンバルを使った料理では、ナシゴレンやミーゴレンという東南アジアの焼きそばが代表的です。

また南インドでは野菜や豆のスープ、カレーをサンバルと呼び、ドラムスティックと呼ばれる野菜やナス、大根、オクラなど季節の野菜を組み合わせて材料にします。これはご飯との相性がよく、日本でいうお味噌汁のような存在となっています。

ごはんの美味しさは何で決まる?

カレーライスをはじめ毎日の食卓に欠かせない、日本人の主食ご飯。その美味しさのもとは何なのでしょうか。

ご飯には食味官能評価というものがあり、外観・香り・味・粘り・硬さの5つで美味しさを評価します。中でも私たちがご飯を食べたとき特に美味しさの基準としているのは、弾力や甘みだと考えられています。

米のデンプンはアミロースとアミロペクチンという2種類の成分からできており、弾力はこの2つの比率によって変わってきます。両者の比はうるち米で20:80、もち米では0:100です。これを見ても分かる通り、アミロースの含有量が少なく、アミロペクチンが多い米ほど粘り気があり、もちもちした食感になります。これが弾力です。

また、甘みの根源は炊飯の最中にデンプンが酵素に分解される過程で出てくる糖です。一般的に活性酵素の働きが強いほどデンプンをよく分解するので、甘みのあるご飯になるといわれています。

ちなみに炊き立てのご飯のあのふんわりしたいい香りは、炊飯中にアミノ酸と糖が反応して生成される、カルボニル化合物と呼ばれる成分によるものです。このカルボニル反応では100~1000種類もの成分が生まれ、これらがお互いに合わさって複雑な香りを作り出しているということです。

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