ガーリック

ガーリックといえば日本でもおなじみの薬味、にんにくのことです。原産地は中央アジア、日本では青森県が主な生産地で、現在は国内シェアの約70%を占めています。
ガーリックは紀元前からエジプトやインド、ローマ、中国などで使用されていました。戦乱の絶えなかった時代、滋養強壮効果のあるガーリックはスタミナ源として将軍や兵士たちに重宝されたというエピソードが世界各地に残っているようです。

最近は生のにんにくのほかにもパウダー状のものがビン詰めで売られ、用途の幅もぐっと広くなっています。生のままであれば炒め物の時にみじん切りにして炒めたり、薄くスライスして肉や魚のソテーに添えたりします。パウダーならガーリックトースト、チャーハンやピラフなどのご飯ものにさっと振りかけて味や風味付けに利用できます。

口の中に広がる刺激的な香味が特徴のガーリックは、もちろんカレーの風味アップにも一役も二役も買っています。
鱗茎(りんけい)と呼ばれる球根部分を、生のまま乾燥させて粉状にし、ほかのスパイスと混ぜ合わせて使用するのです。
独特の香りの強さがガーリックの良さですが、臭気が強すぎるのが難点。臭いが気になる場合は、使用する量やタイミングを調整するとよいでしょう。また、食後に牛乳を飲むと臭いを消すのに効果的ですよ。

火を止めてからルーを入れるのはなぜ?

家庭でカレーを作るのに固形ルーを使用することはよくあると思います。
そこで、そろそろ材料が煮込まれ、「さあカレーのルーを入れよう!」という段階になった時、いったん火を止めてからルーを入れますよね。これはなぜでしょうか?

カレーの固形ルーは何種類かのスパイスの組み合わせと、鶏がらなど旨みを出す調味料、塩、砂糖に油、そして小麦粉で作られています。小麦粉には70%ほどデンプンが含まれているのですが、デンプンは熱によって固まり、ダマになってしまうという作用を持っています。これを糊化といいます。
鍋が高温のままルーを割り入れると、ルーの表面だけが熱によって一気に糊化し中身を閉じ込めてしまうため、口当たりのざらっとしたカレーが出来上がってしまうのです。
これを防ぐために、いったん火を止めて鍋の温度を下げてルーを入れ、ルーが表面からゆっくり溶け出せるようにするというわけです。

ちなみに、小麦粉の糊化は60度から始まり、80度前後でとろみがついた状態になります。火を止めてからいったん鍋を濡れ布巾の上に置いてあら熱を取ると、ちょうど80度~85度前後になりますので、この方法を試してみると滑らかな口当たりのカレーを作るのに役立ちますね。

焼きカレー

普段、食べなれたカレーライスも、ひと工夫加えるだけでまったく違った味わい方ができます。例えば、焼きカレー。

焼きカレーの始まりには諸説ありますが、福岡県北九州市を発祥とする説が有力です。1955年頃の門司港繁華街、栄町銀天街にあった喫茶店。当時、余ったカレーをオーブンで焼いてみたところ、とても美味しくできたので、のちにお店のメニューとして出したのが始まりだそうです。現在、門司港周辺には20軒以上の焼きカレーを出すお店があり、それぞれに個性を生かした焼きカレーを出しています。そんな焼きカレーは、門司発祥のご当地メニューとして、観光客の間でも人気を博しています。
焼きカレーの作り方はさまざまですが、ひとつ簡単なものを紹介します。まず、耐熱皿にバターかマーガリンを塗り、ご飯を入れます。そこにカレーとチーズをのせ、お好みで生卵を割り入れてオーブンで焼けば出来上がり!パセリをふりかけたり、ブロッコリーをのせてみたりするのもいいでしょう。とても香ばしく、おいしいので、前の日のカレーが余ったときなどに、ぜひお試しください。

チャパティ

チャパティはインドやパキスタンで主食として食べられているパンのひとつです。特に北インドでは家庭料理として手軽に作られています。アーターと呼ばれる全粒粉に水と塩を加えて練り、クレープ生地のように薄く丸い形にして焼き上げたものです。

作り方を簡単に説明しましょう。まずアーターに塩をひとつまみ加えて混ぜます。次に水を少量ずつ加え、粘り気が出るまで手でこねます。硬さの目安は油粘土をイメージするといいでしょう。全体がまんべんなく同じ硬さになったら、ぬれた雑巾をかけて約30分寝かせます。通常、パンを焼く時は生地を発酵させますが、チャパティではその必要はありません。ここまでが生地作り。
ではいよいよ焼き始めましょう。
生地をピンポン球くらい手にとって手の平でまるめ、棒で薄く丸くのばします。
そしてタワーと呼ばれる鉄板、ない場合はフライパンを代用し、弱火にかけて生地を乗せます。
表面が乾いて少し膨らんできたところでいったん生地を持ち上げ、鉄板・もしくはフライパンを火から下ろし、生地を直火に乗せます。生地がクレーターのようにぼこぼこ膨れてきたら反対に裏返し、軽く焦げ目がつくまで焼いて完成です。

さて、この地方の主食といえばナンを思い浮かべることが多いと思いますが、実は一般家庭ではあまり食べられてはいません。ナンは大きな釜で大量の火力を要して作るのですが、そのような設備が整っている家庭は少ないのです。また、ナンは卵を使用して作られているため、動物性食品を摂取しないインドのベジタリアンは食さないといいます。
チャパティの方がごく一般的に食べられている、なじみの主食なのだそうです。