カレールウ

自宅で手軽にカレーを作ろうと思えば、カレールウは不可欠です。野菜や肉を入れ、煮込んだところにカレールウを放り込めば、簡単においしいカレーが出来上がります。
実は、このカレールウは日本生まれなのです。1914年(大正3年)、東京・日本橋の岡本商店が、元祖カレールウともいえる「ロンドン土産即席カレー」を発売しました。これは、現在の固形状のカレールウとは違い粉末状だったようです。しかし、粉末をお湯で溶き、肉や野菜を煮込んだ鍋に入れるだけで完成するところは、現在のカレールウと変わりありません。

そんなカレールウですが、その原型は、明治時代から存在したと言ったら、驚かれるでしょうか。1906年(明治39年)に、東京神田の一貫堂から発売された「カレーライスのタネ」。カレー粉や極上の生肉を混合乾燥し、固形状にしたもので、お湯をかけて溶かして食べるというものだったそうです。カレールウと言うより、レトルトカレーの元祖と言ってもいいかもしれません。はたして、味はどうだったのでしょうか?とても気になります。きっと当時の人たちはその斬新な発想に驚いたことでしょうね。

タンドリーチキン

タンドリーチキンはスパイスの利いた漬け汁にとり肉を浸し、タンドールと呼ばれる壷窯で焼いたグリル料理です。インドのパンジャーブ地方に伝わる定番メニューのひとつで、レストランなどで単品としてはもちろん、カレーのサイドメニューとしても人気があります。

作り方を簡単に紹介します。まずは下準備。味付けはコリアンダー・クミン・ターメリックなどのスパイスとヨーグルトを混ぜた漬け汁に、塩、コショウで行います。使用する種類はこれ以外にも様々で、応用を利かせたレシピも豊富です。家庭で作るならカレー粉をスパイスの代用としても構いません。漬け汁ににんにくや玉ねぎ、しょうがをすりおろして混ぜても風味が増してより美味しくなります。
そしてこれらに肉を漬け込んだ後、高温で熱したタンドールの中に吊して焼き上げます。
タンドールは高温の炭火をうまく循環させる仕組みになっており、余分な油はしたたり落ちてしまいます。そのため本来の肉の旨みが凝縮され、ジューシーに焼き上げることができるのです。家庭では、タンドールの代わりとしてオーブンを使うとよいでしょう。

鮮やかなオレンジ色の照りと香ばしい香りが食欲のツボを刺激します。暑くなるこれからの季節、ビールを飲みながらタンドリーチキンをほおばるなんて最高ですね。

ネパールのカレー

今回はネパールのカレーをご紹介します。
ネパールのカレーはシンプルであっさりした味わいが特徴。ネパールは標高の高い場所に位置しているため(標高約1000mから3000m)、刺激の強いスパイスやこってりした油分は体に負担をかけてしまうという理由からです。

ネパールでは毎日食卓にカレーが出ます。ごはんと一緒に食べる、日本でいうみそ汁と同じような感覚の料理ですね。じゃがいもやにんじんは入っていませんが、口当たりが素朴で優しく、日本人の舌にもなじみやすいようです。

最もポピュラーなものは野菜や豆をスープ状にしたジャネコ・ダルと呼ばれるカレー。ひよこ豆やレンズ豆を使い、色も黄色、緑、赤など種類の異なるものが利用されるので見た目にもカラフルです。味付けは山菜を乾燥させて作ったジンブというスパイスと、コショウ・しょうが・にんにくを使ってシンプルに仕上げます。ネパール人にとっては「おふくろの味」的な存在として親しまれているそうです。

肉を使ったカレーではとり肉を使う場合が多いようです。コリアンダー・クローブなど幾つかのスパイスにガラムマサラを組み合わせ、玉ねぎ・トマトなどの具材を加えて煮込みます。ちなみに味付けがあっさりしていますので、どんな食材やスパイスを試しても味がまとまるという良さがあります。ネパールは多民族国家ですから、それぞれのテイストを取り入れたカレーがまだまだたくさんあるのでしょうね。是非全部試してみたい・・そんな気持ちになってしまいますね。