カレーリーフ ~カレーの木?~

「カレーの木がある」。
そう聞いたら皆さんはどんな木を想像するでしょうか?
カレーは料理名であって、野菜や果物ではありませんから、そもそもイメージがわきづらいかと思います。しかし、確かにカレーの名のつく植物が存在するのです。

カレーの木には2種類あります。ひとつはカレーリーフという名前で呼ばれています。
葉っぱからスパイシーな香りがするため、インドやスリランカでは、カレーや魚・ココナッツを使った料理の香辛料として使用されています。西南アジア原産のミカン科に属する植物で、南インドやスリランカ、ヒマラヤ山麓などでは特に珍しくもなく、普通に自生しているそう。家庭で栽培することも多いといいます。

もうひとつはカレープラントと呼ばれる木で、南インドを中心に観賞用やハーブとして使われています。夏が終わると、カレー粉のような鮮やかな黄色の花をつける、キク科の多年生植物です。
主にハーブとして葉の部分が使われますが、香り立ちがいいので料理に用いる場合はごく少量でOK。また花は乾燥させてスープやピクルスの香り付けに使います。
色が奇麗に残るため、ドライフラワーやポプリの材料にも使われるそうです。

カレー好きの知り合いにプレゼントすると、意外性もあって喜んでもらえるかもしれませんね!

カレーとらっきょうと豚肉

カレーに合う付け合わせのひとつとして挙げられるのが、「らっきょう」です。「らっきょう」は塩漬けや甘酢漬けの状態で店頭に売られており、カリッとした食感と鼻にツンとくるすっぱさ、そして独特の香りがカレーへの食欲をそそられます。

らっきょうは中国原産のユリ科の多年草。元々は薬用植物として平安時代に日本に伝わりました。今では漬物としてカレーやご飯のお供として食卓に並びますが、江戸時代からは野菜として栽培されていたそうです。
「畑の薬」と称されるほど、さまざまな効能を持つらっきょうですが、特に注目したいのはアリシン(硫化アリル)と呼ばれる成分。アリシンはビタミンB1の吸収をよくする働きを持っているため、ビタミンB1を含む食材と一緒に食べると、効果的に栄養を摂取できます。そして、カレーの肉でよく使われる豚肉には、ビタミンB1がたっぷり! ビタミンB1は疲労回復や夏バテに効くため、夏の暑い時期に好んで食べられるカレーにはやはり相性がいいといえますね。

らっきょうはこれからの初夏~夏場が旬。自分で酢漬けにするなら、ツヤっぽくかたさがあり、芽が青くないものを選びましょう。買ったらその日のうちに手早く水洗いし、酢漬けにしてしまうのが長くおいしく保存できるポイントです。

カレーとヨーグルトは相性抜群!

カレーとヨーグルト。
2つの名前を聞いたときに、あまりピンとこないかもしれませんが、意外と縁のある組み合わせなんですよ。

例えば、ヨーグルトには肉を柔らかくする作用があることをご存知でしょうか?
ヨーグルトには乳酸菌が含まれているのですが、この乳酸菌は肉の筋繊維をほぐして、細胞やコラーゲンの水分を膨張させる働きを持っています。ですから、ヨーグルトを混ぜると、肉が水分をたっぷり含んだ状態になり、ジューシーでやわらかい肉質に変化します。ですからカレーや肉料理では調理する前に、ヨーグルトを混ぜて一手間かけることが多いのです。ちなみに、豚肉、鶏肉、牛肉、種類問わずどんな肉でも変わらない効果が期待できます。また鮭(サケ)や鰤(ブリ)などの魚も同じように柔らかくすることができるので、ヨーグルトでさまざまなカレーの素材を美味しく味わうことができますよ。

また、カレーに直接ヨーグルトを加え、ヨーグルト風味に仕立てたカレーもありますね。
少し酸味の効いたヨーグルトはカレーに溶け込むと風味のアクセントになりますし、スパイスの辛さを和らげて全体をまろやかにしてくれます。また栄養面でもカルシウムや乳酸菌が腸を整え、骨を丈夫にしてくれるという嬉しい効果も。

単純に食後のデザートとしていただいでも美味しいですね。さっぱりして口直しにぴったりです。

カレーのおいしい保存方法

一度に大量のカレーを作りすぎてしまった場合に、余ったカレーはどのように保存していますか?
長持ちさせることを考えると一番いい方法はやはり冷凍保存だと思います。

冷凍保存の良さは数週間から数カ月といった長期間でも保存が可能なこと。使いたいときはレンジで解凍したり、冷蔵庫に移して自然解凍させておいたりすれば、すぐに食べられる手軽さも魅力ですね。

しかし一度冷凍保存すると、作りたての頃の絶妙なスパイスの効き方や、微妙な味わいが損なわれてしまいます。作ったままの味や風味をそのまま保つことは、さまざまな方法を試してもなかなか難しいようです。

これにはいくつかの原因が考えられます。
例えばカレーを容器に入れる時、外の空気に触れるような条件で保存すると油が劣化してしまう恐れがあります。これは冷凍ヤケと呼ばれる現象です。
また、冷凍することによって、スパイスの成分のうち、「辛み成分」だけが残り、カレーにとって命ともいえる「香り成分」が失われてしまいます。この風味が薄れることで、作りたてのカレーと比べると物足りなさを感じてしまうのです。

また家庭用の冷蔵庫は中に入れたものが完全に凍結するまで時間がかかります。するとカレーに含まれる水分が氷の結晶になる過程で、でんぷん質が破壊されて食感がなくなってしまうことがあるようです。

こういった冷凍保存による味の劣化を少しでも防止するには、カレーを容器に入れるとき、できるだけ空気に触れないように工夫し、温め直すときには再度スパイスを加えて香りづけを行うといいでしょう。