インド~イギリス~日本

江戸時代末期、ペリー来航と共に日本の長かった鎖国が解かれ、様々な国の人や文化が日本へ入ってくるようになりました。イギリスもそのうちの一国でしたが、カレーを日本に持ち込んだのはインドではなく、このイギリスだったのです。
イギリスは大航海時代、インドをも植民地にして大量の香辛料を手に入れると同時に、混合スパイス料理としてカレーを知ります。その後、日本の開国に合わせて入国したイギリス人は貿易港に居留地をつくり、インドで手に入れたスパイスを基に作った欧風のカレーを一部の日本人に紹介しました。このように日本には発祥の地インドからイギリスを経て辿り着いたため、カレーを西洋料理というようになります。
1877年頃になると、明治維新と同時に起こった文明開化が食文化にも影響して西洋料理店が次々と誕生し、ハイカラな食べ物の一つとしてカレーもメニューに載るようになりました。はじめは華族や上流階級の人しか食べられない珍しい高級料理でしたが、大正時代になると、庶民向けの西洋料理店も流行りだし、カレーの知名度は徐々に高まっていきます。
しかし、まだまだ一般的な料理ではありませんでした。日露戦争をきっかけに軍事食として取り入れられ、戦後には元兵隊を通じ一般家庭に広がっていきます。当時はカレーを味噌汁に入れたり醤油を混ぜたりと日本風にアレンジして食べたそうです。日本は外国の様々な部分を吸収し、独自の食文化を築き上げながら日本のカレーも進化させました。第二次世界大戦後、カレーは学校給食に取り入れられ、今や日本の代表的な家庭料理として根付いています。

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