レモングラス

原産地は熱帯アジアで、現在はアフリカ・南アメリカ・オーストラリアなどでも生産されています。イネ科、オガルカヤ属に属する多年生のハーブで、見た目はススキのように背が高く、ねぎにも似ています。シトラールという成分が含まれており、レモンのような香りや風味があるのが特徴です。生のまま使用してもいいですし、乾燥させてパウダー状になったものがビンに入って売られていたりします。

葉をそのまま利用する場合は、みじん切りにして肉料理にまぶしたり、魚と一緒にアルミに包んでホイル焼きにすると風味づけになります。スープやカレーなどに使用する時はパウダーを他のスパイスや調味料と合わせて入れます。また、レモングラスは主にタイ料理やエスニック料理に欠かせないスパイスです。タイの代表的な料理、トム・ヤム・クンには葉を薄くスライスし、スープを煮出すのに使用したりします。
さっぱりしているため、特に鶏肉や魚、シーフードとの相性がいいのです。

気になる効能ですが、解熱や体を温めて発汗を作用があるため、風邪や頭痛、ストレスを解消したい時などにおススメです。

カリフラワー

カリフラワーはアブラナ科アブラナ属の野菜で、ブロッコリーの仲間です。花野菜、花キャベツという和名でも呼ばれています。
見た目はブロッコリーに形が似ていますが、色はきれいな乳白色なのが特徴。地中海地方を原産とし、日本へは明治時代に伝えられ、初冬から春先にかけて旬の時期を迎えます。

食用にするのは未発達のつぼみである花蕾(からい)の部分。ほんのり甘味のある味で、茹でてマヨネーズをつけて食べる方法がポピュラーですね。このほかスープに入れたり、グラタン、炒め物、ピクルスにするのもお勧めです。カレーに使用する際は、じゃがいもやにんじんなどと同じようにひとつの具として直接カレーに加えてもいいですし、先に挙げた料理にカレー粉を加えてカレー風味にするレシピも人気があります。またしょう油を加えて煮込んで和風にしてみても美味しいですし、色々なアレンジが楽しめるところもカリフラワーの魅力だといえるでしょう。

栄養はビタミンCが豊富で、ブロッコリーと比べても茹でた場合のビタミンCの損失が少ないという特徴があります。食物繊維もたっぷり含まれているので、腸の中をキレイに掃除し便通をよくする効果も期待できます。

イタリア風カレー

イタリアといえばトマトを使った料理が有名ですね。実はカレーもトマトソースやトマトスープがベースになっているんです。

イタリアには元々スープ料理の文化があり、唐辛子などの香辛料を使った辛口の料理も昔から人々に親しまれてきました。特に有名なのは、私たちもパスタなどでおなじみのアラビアータ。これは唐辛子を利かせたトマトソースのことで、トマト、ナス、ズッキーニなどの野菜、魚介類といった食材を使って様々な料理が作られています。その激辛ぶりがまるで怒っているようだということから、イタリア語で「怒り」という意味のアラビアータという名前がつけられたのだそうです。

このアラビアータとカレー粉、そのほかのスパイスやハーブをブレンドしてトマトやベーコンなどの具材を煮込んだものがイタリア風のカレーです。また魚介類をトマトベースで煮込んだスープ、ズッパ・ディ・ペッシェに唐辛子やスパイスを加えて煮込んだカレー風の料理も、イタリア人の間では広く親しまれています。

ワサビ

アブラナ科ワサビ属に属するワサビは日本ならではの香辛料。漢字では山葵と書きます。独特のツンとした香りで世界的にも知名度が高く、特に日本食ブームを経て日本食が定着しつつある欧米では「wasabi」で通じるのだそうです。

ワサビは山間地の冷たい清流で自生、栽培されるほか、田んぼでも作られます。このように水の中で育てるものを水ワサビといい、主要産地は静岡県や長野県、岐阜県や東京都です。また畑で育てるワサビもあり、こちらは畑ワサビといいます。主に山口県や鳥取県、広島などで栽培されています。

使用するのは根の部分で、生のものをのの字を書くようにしてすり下ろすと、香りが高く辛みも強くなります。家庭では市販のチューブ入りの練りわさびが手軽で人気です。

寿司や刺身など生魚にしょう油と一緒に付けて食べるほか、蕎麦やお茶漬けなどの日本料理にも薬味として重宝されています。また欧米でも肉料理のソースにワサビを使用することがありますね。また畑ワサビは酒粕と合わせてわさび漬けにされ、ご飯の副菜としても親しまれているのです。

ワサビにはビタミンCが豊富に含まれるほか、辛みの元であるからし油は食中毒や抗ガン作用、血栓を予防する効果もあるといわれ最近注目を浴びています。魚の臭みを消したり、食欲増進効果も期待できます。またわさびには優れた殺菌・消臭・抗菌効果があるため、食用以外にも消毒液や抗カビ剤として用いられるという、日本を代表する優秀なスパイスなのです。

どんな食材にも合うカレーですが、そういえば魚のカレーはあまり見かけたことがありませんね。海の幸を使ったシーフードカレーもありますが、具材は魚というよりイカやえび、貝類がメインです。

ところがインドやバングラディシュなどの南アジア地方では、肉と同様に魚を使ったカレーが日常的に食されています。これらの国々は海に面しているため、豊富に採れる魚介類は人々にこよなく愛される身近な食料源。カレーの材料としても定番なのです。日本も海に囲まれた島国ですが、魚をカレーに入れるという発想は定着しなかったのだといいます。ちょっぴり残念ですね。

特に、教科書に「ベンガル人は米と魚でできている」と書かれるほど魚と米を愛するバングラディシュでは、魚カレーが国の看板料理であり、とてもポピュラーな存在になっています。またシンガポールではフィッシュ・ヘッド・カレーと呼ばれる、魚の頭を煮込んだカレーが名物です。なじみのない人が初めて見ると大変驚きますが、スパイシーな辛さと魚のダシがうまくマッチしたコクのある味わいで、食べる人をやみつきにさせる美味しさなのだそう。また日本でも、味が淡白な白身魚のカレーはレシピも多数出ていて人気があります。気になるのは魚特有の臭みですが、身を十分に洗う、油でからっと揚げ、臭み消しの効果があるスパイスを使う、などの方法で臭みを消すことができますので、ご安心ください。