カレーの隠し味

チキンなどの肉や魚介類のエキス、そしてスパイスなど、本格的なカレーを作る時はベースからそれなりのものを揃えます。
そこまでではないが家庭で作るカレーにちょっとした隠し味を入れたい!そんな場合によく使われる身近な調味料を挙げてみました。


醤油、だし・・さっぱりした和風味に近づきます。
ソース・・こっくりした濃厚さが加わります。
ケチャップ・・トマトの酸味が加わりさっぱりします。
インスタントコーヒー・・少し苦味が出て大人の味になると、人気のある隠し味です。
チョコレート・・甘さとコクが出てまろやかになります。
はちみつ・・味がマイルドになります。
ワイン・・酸味とコクが加わります。
ヨーグルト・・肉をつけ込むと柔らかくなります。
あめ色玉ねぎ・・玉ねぎをフライパンであめ色なるまで炒めたものです。甘くマイルドな味になります。


他にもすりおろしたりんご、チーズ、にんにく、ジャムなどカレーとは結びつかないような意外なものが隠し味として使われているようです。

いくつかの隠し味を少しずつ入れるとカレー全体が馴染み、全体的にバランスの取れた味になります。マイルドなカレーが好きだ、逆に少し苦味やコクがあるほうがいいなど、好みがはっきりしている人は特定の隠し味を多めに入れ、自分だけの味を追及してみてはどうでしょう。

こんなにバラエティーに富んだ調味料や嗜好品を隠し味として使える料理は他にありません。それだけカレーは独特の風味や味を持っているのですね。

カレーって何語?

カレーという言葉は既に日本でもすっかり浸透してしまっているので、今改めて何語かと問われると困ってしまうのではないでしょうか。漠然と英語かというのは想像がつきますが、それではその語源はどこになるのでしょう。
英語で書くとカレーは「CURRY」となりますが、これはヒンズー語の「おいしいもの」をあらわす「TURCARRI」から来ているといわれています。それが日本に来て「カリー」から「カレー」に変化していったということです。
他にはタミール語の「ご飯にかけるたれ」の意味である「カリ」から「カリー」という言葉ができたという説、釈迦が作ったスパイスを使った料理の「クーリー」から「カリー」となったという説(クーリーはヒンズー語でおいしいという意味)、インド北都の料理名「カディ」が由来となった説など多様な説があります。
これらの説以外にも多様な説が様々に言い伝えられているのは、さすが14の公用語をもつ多民族国家のインドならではというところですね。

カレーうどん

カレーを応用したメニューのひとつにカレーうどんがあります。カレーうどんはうどん屋をはじめ、学校の給食や食堂の定番メニューとして広く人気があり、カレーうどんの専門店も多く存在しています。
カレーうどんのカレーはごはんにかけて食べるカレーとは違います。カレー粉にだし汁やうどんのつゆを加え、好みで醤油やみりんなどを加えて和風テイストに仕上げているのです。具材は玉ねぎ、長ねぎ、豚肉、関西では牛肉が一般的で、とろみをつけるために片栗粉を入れます。その他ににんじん、玉ねぎなどの野菜、油揚げ、斬新なものではチーズなど、バリエーションに富んだ具材が使われているようです。

はじめてカレーうどんが登場したのは明治時代。1904年、早稲田の「三朝庵」からカレーうどんの元祖が初めて世に送り出されました。当時は奇妙な西洋料理として訝しげられていましたが、カレーが国民に浸透していくのに合わせて広く受け入れられるようになったそうです。

またうどんではなく、蕎麦にカレーをかけたものはカレー南蛮と呼ばれます。南蛮とは唐辛子を指すのではなく、大阪の難波を意味しています。この場所で採れた長ネギが材料として使用されたため、難波→なんば→南蛮と転じていったということです。

レトルトカレーの誕生

インスタント世代とは良く言いますが、このときにその言葉の普及に一役買ったのではと思われるのがレトルトカレーの誕生です。いまやレトルトカレーは自然に生活に根付き、手軽に食事を取る際に活躍するメニューとなっています。

そんなレトルトカレーの誕生は昭和44年。大塚食品工業から画期的な新製品として「ボンカレー」が発売されました。ボンカレーという名前はフランス語のBON(おいしい)と英語のCURRY(カレー)を組み合わせた商品名です。熱湯で3分間温め、ご飯にかけるだけで食べられるというその手軽さが大好評。ついにボンカレーは自動販売機でも販売されるほどのヒット商品になりました。
レトルトカレーは大塚食品ではなく大塚化学株式会社によって開発されました。海外で既に開発が進められていたレトルト食品に注目し、カレーを新しい容器に入れての販売を思いついたのです。しかし、レトルト食品を開発しようとしてまず悩まされたのが袋の問題。これは本家アメリカの宇宙食の開発においても随分難儀した点で、その為に商品化が遅れていたといいます。
初代ボンカレーは透明の袋に入っており、保存期間も60日までと保存食品としては短い期間しか保存がききませんでした。しかもフィルムの中の空気抜きがうまくいかずにカレーが酸化してしまうという問題点などもあった為、あまり売り上げとしては芳しくないスタートを切ることになります。

その後試行錯誤を重ね、アルミ箔をプラスチック材でサンドイッチにした遮光性に優れた3層パウチを完成させました。光を遮断し空気も通さないアルミをプラスチック材でサンドすることで強度の面も保存の面も優れたパッケージを作ることができたのです。このパッケージは特許も取得し、カレー業界のみならず包装業界にも影響を与えました。


何も調理が要らずにすぐにカレーが食べられるという便利さ、缶詰よりも軽くかさばらずなべも汚さないという手軽さが日本のライフスタイルに合致したことで、爆発的なヒット商品として広まっていくことになったのです。

スープカレー

北海道・札幌の新しい名物として大人気を呼んでいるスープカレー。スープカレーが世に知れ渡ったのは最近ですが、スープカレーの原型がはじめて登場したのは1970年代。インドカレー、スリランカカレーという名前で様々な店でスープカレーが出されていました。スープカレーという名前が出てきたのは1990年代になってからのようです。

スープカレーと普段食べているカレーとの一番の違いは固形のルウを使わないこと。小麦粉やバターが使われていないのでとろみがなく、さらっとした液体状です。
やはり注目すべきはスパイスの効いたこだわりのスープ。豚や鶏がらでしっかり旨みを抽出し、これをベースにトマトで風味を整えるのがポピュラーな作り方。鰹節など日本のダシを使って和風テイストにしてみたり、スパイスの種類や強さに特徴を持たせるなどのオリジナルの味を追求している店もあるようです。
肉はチキンレッグがまるまる1本入っているのが一般的ですが、ポークやラム肉、ベーコンを使う場合もあります。具材にはおおぶりの人参やじゃがいも、ピーマン、しめじ、オクラ、ブロッコリー、卵などの他、ほたてやえびなどの魚介類などを入れ、様々な具の調和が楽しめるメニューです。

スープカレーは店舗によってスープも具もスパイスも様々なので、札幌名物のラーメンと同様にバリエーションが豊富かつ楽しい料理だといえますね。